同じテストを何度も受けると、練習効果でIQは伸びる——これはよく言われる話です。当サイトの注意書きでも以前は同様に案内していました。実際のところどうなのか、当サイトを2回以上受験した人のデータで検証しました。
結論から言うと、必ず上がるとは言えない結果でした。平均だけを見るとむしろ下がっていますが、これは一部の極端な下落に引っ張られた見かけ上の数字で、実際にもっとも多かったのは「ほとんど変化しない」でした。
関連記事
正確なIQテストの選び方|信頼できる診断はどれ?無料・有料を徹底比較
本当に正確なIQテストはどれ?WAIS、MENSA、オンライン無料テストまで、信頼性・費用・所要時間を徹底比較。自分に合ったIQテストの選び方を解説します。
再受験者のデータ
同じメールアドレスで2回以上受験した記録を集計しました(開発・テスト用のアカウントは除外済み)。
| 項目 | 値 |
|---|
| 対象 | 2回以上受験した194人(初回→2回目のスコア変化) |
| 平均スコア差(2回目−1回目) | -9.3点 |
| 中央値 | 0点 |
| 内訳 | 上昇75人・変化なし41人・下降78人 |
平均だけを見ると-9.3点で「下がる」ように見えますが、中央値は0です。平均と中央値がこれだけ乖離しているのは、ごく一部に大きく下落した人がいて、その人たちが平均を強く引き下げているためです(例えば初回145点→2回目76点のような、69点も下がったケースが実際にありました)。
なお、当サイトの受験者は自己選抜サンプルで、スコアの絶対水準は一般的なIQスケール(平均100)より高めに出る傾向があります。この記事で見ているのは絶対水準ではなく同じ人の1回目と2回目の変化なので、この上振れの影響はほとんど受けません。
上昇・変化なし・下降の内訳を見ると、上昇75人と下降78人はほぼ同数です。これは「2回目は伸びる」という一方向の効果ではなく、個人差が大きく、結果はほぼ五分五分であることを示しています。
「練習効果」が一様には出ない理由(推測)
いくつかの要因が考えられます。
- 1回目に本気で取り組んだ人ほど、2回目に伸びる余地が少ない。逆に1回目を流し気味に受けた人は、2回目に真剣に取り組むと伸びやすい可能性があります
- 問題を覚えていて有利になる人と、逆に緊張感がなくなり気が抜ける人が両方いる可能性があります
- 大きく下落したケースの中には、2回目を短時間・低い集中度で受けた(片手間で試した)記録も含まれている可能性があります
いずれも仮説であり、この集計だけで因果関係を断定することはできません。
サイトの注意書きを更新します
当サイトではこれまで「同じテストを何度も受けると、練習効果でスコアが上がることがある」と案内していましたが、実データで見ると上がる保証はなく、変化しないか下がる人も同じくらいいるというのが正確なところでした。この記事の公開にあわせて、案内の表現も実データに沿ったものに更新します。
データについて
本記事の数値は当サイトのIQテスト受験データ(2026年1月26日〜7月21日)のうち、同一メールアドレスで2回以上受験した記録を集計したものです。5回を超える受験や、明らかな開発・検証用のメールアドレスは集計から除外しています。受験者は自主的にテストを受けに来た層であり、日本人全体の代表サンプルではありません。
関連記事
IQが最も下がる時間帯は?7,573人のデータ分析
IQテスト受験者7,573人・のべ227,311問の回答を分析。算出されるIQスコアが最も下がるのは早朝8時台、最も難しいのは空間推理、極端に速い回答は正答率が大きく落ちる——独自データで見えた事実を公開します。数値は出典明記でご自由に引用いただけます。
出典を明記いただければ、記事・SNS・資料でご自由に引用いただけます。
集計・執筆: Jason Tanaka(IQテスト運営)。本記事のデータは受験者を特定できない形で集計しています。