「夜型の 人は 頭が いい」——これはよく 聞く 話です 。 実は これ、 単なる 俗説ではなく、 2009年に 学術誌に 掲載された 研究でも 似た 傾向が 報告されています。当サイトの IQテスト の 受験データ7,704件を 時間帯別に 集計してみた ところ、 たしかに 深夜帯の 成績が 最も 良いと いう 結果が 出ました。 ただし数字を 細かく 見ていくと、 「夜が 優れている」と 言い 切るには 注意が 必要な 点も いく つか 見つかりました。
関連記事
正確な IQテストの 選び方 |信頼できる 診断は どれ? 無料・ 有料を 徹底比較
本当に 正確な IQテストは どれ? WAIS、 MENSA、 オンライン無料テストまで、 信頼性・費用・所要時間を 徹底比較。 自分に 合った IQテストの 選び方を 解説します。
「夜型は 頭が いい」説、 学術研究にも あった
2009年、 心理学者の Satoshi Kanazawa氏と Kaja Perina氏が 学術誌『Personality and Individual Differences』に 発表した 研究 「Why Night Owls Are More Intelligent」が あります。 米国の 10代2万人以上を 追跡した 大規模調査 (National Longitudinal Study of Adolescent Health)の データを 使い、 子供の 頃の IQと 大人に なってからの 就寝時刻の 関係を 調べた ところ、子供の 頃の IQが 高い 人ほど、 大人に なってからの 就寝時刻が 遅い と いう 傾向が 見つかりました (IQ75未満の グループは 平日23:41就寝、 IQ125超の グループは 平日00:29就寝)。
ただし、 この 研究には 重要な 注意点が あります。効果量自体は 大きくなく、 因果関係も 特定できていません 。 「勉強熱心な 高IQ層が たまたま 夜 遅くまで 起きているだけではないか」 「都市型の 生活リズムの 影響を 拾っているだけではないか」と いった 批判も 出ています。 あくまで 「相関が 見つかった」と いう 段階の 研究です。
実際の データで 見ると
当サイトの 受験データ (ノイズ除外後7,704件)を、 受験時刻 (日本時間)で 7つの 時間帯に 分けて、 正答率と 平均IQを 集計しました。
時間帯 件数 正答率 平均IQ 深夜 0〜4時台 1,145 86.3% 133.6 早朝5〜8時台 534 80.5% 128.6 午前9〜11時台 885 83.3% 131.1 昼12〜14時台 1,056 84.7% 131.9 午後15〜17時台 1,212 83.1% 131.0 夕方 18〜20時台 1,294 82.6% 130.5 夜 21〜23時台 1,578 83.5% 131.2
深夜 0〜4時台が 正答率・平均IQともに 最も 高く、 早朝5〜8時台が 最も 低い と いう 結果でした。 1時間単位まで 見ると 差は さらに 開き、 最も 良かったのは 深夜3時台 (正答率87.3%・平均IQ134.5)、 最も 悪かったのは 早朝8時台 (正答率78.9%・平均IQ127.2)でした。
75% 80% 85% 90% 87.3% 78.9% 0 3 6 9 12 15 18 21 時 時間帯別の正答率(日本時間・24時間)。緑=最も高い深夜3時台(87.3%)、赤=最も低い早朝8時台(78.9%)。
「早朝は 焦って 適当に 答えている」わけではなかった
ここで 気に なるのが、 早朝の 成績の 悪さが 「朝は 時間が なくて 急いで 答えているだけ」で 説明できるか どうかです。 1問あたりの 平均回答時間も 一緒に 見てみました。
時間帯 平均回答時間/問 正答率 深夜 0〜4時台 16.7秒 86.3% 早朝5〜8時台 18.8秒 80.5%
結果は 逆でした。早朝5〜8時台は、 深夜0〜4時台より 時間を かけて 答えているのに、 正答率は 低い のです。 急いで 雑に 答えているのではなく、 時間を かけても 正解に たどり着けていない ——これは 睡眠慣性 (sleep inertia)と 呼ばれる 現象、 つまり 起床直後の 脳が まだ 完全に 覚醒していない 状態と 符合します。
「夜が 優れている」と いう 話でもなさそうだった
ただし、 この 結果を 「夜は 頭が 良くて、 朝は 頭が 悪い」と 単純に 一般化するのも 早計です。 表を もう 一度 見ると、午前9〜11時台の 成績は 正答率83.3%・平均IQ131.1で、 1日の 平均と ほぼ 変わりません 。 突出して 悪いのは 早朝5〜8時台だけで、 そこから 数時間 経った 午前中には 数字は 平常に 戻っています。
つまり 今回の 結果から わかるのは 「夜全体が 朝全体より 優れている」と いう ことではなく、 「起床直後の 数時間だけが 特異的に 悪い 」と いう ことです。 一晩の 睡眠 その ものが 悪いわけではなく、 起きて すぐの 短い 時間帯に だけ影響が 出ている、と 読む ほうが 数字には 忠実です。
自己選択バイアスを 疑ってみた
深夜帯の 成績が 良いのは、 単に 「深夜に テストを 受けに 来る 人自体が 特殊な層」だからではないか、と いう 可能性も 確認しました。
平日と 週末で 分けても、同じ 順位 (深夜が 最高・ 早朝が 最低)が 再現されました。 週末の 夜 更かし組だけに 引っ張られた 結果ではなさそうです
深夜帯の 初回受験者比率 (81.7%)は、 他の 時間帯 (80.8%)とほぼ 同じ でした。 「深夜は テストに 慣れた リピーターが 多いから 高く 出ている」と いう 説明でもなさそうです
いずれの チェックでも 傾向は 崩れませんでしたが、受験者一人 ひとりが 普段から 夜 型か 朝型かまでは、 この データからは わかりません 。 深夜に テストを 受けた 人が 「もともと 夜型」なのか 「たまたま その 日だけ夜 更かししていた」のかを 区別する 情報は 持っていないため、 個人の 体質レベルでの 因果関係を 証明する ものではない、と いう 点は 正直に お伝えして おきます。
この 結果から 言える こと
「夜型は 頭が いい」説は、 当サイトの データでも、 学術研究が 示す 方 向性でも、 一定の 裏付けが 見られました。 自己選択バイアスの 簡単な チェックでも 崩れなかったのは 事実です。 ただし、 どちらの 調査も因果関係を 証明した ものではなく、 相関に とどまる と いう 点は 変わりません。
今回の 分析で 一番は っきりしていたのは、 実は 「夜型か 朝型か」よりも、 「起床直後の 数時間は、 誰であれ頭が 回りにくい 」と いう 方でした。 大事な 判断や 難しい 問題は、 起きて すぐより、 少し 時間を 置いてから 取り組むほうが 良さそうです。
関連記事
都道府県別IQランキング、 まさかの 1位は あの 県だった
都道府県別の IQランキングと いえば、 これまで 2003年の テレビ番組データが 元祖でした。 当サイトの 実受験データで 独自に 集計した ところ、 1位に 来たのは 東京でも 大阪でも ない、 意外な 県でした。
データに ついて
本記事の 数値は 当サイトの IQテスト受験データ (2026年1月26日〜7月23日・7,704件)を、 受験時刻 (日本時間)で 集計した ものです。 受験者は 自主的に テストを 受けに 来た層であり、 日本人全体の 代表サンプルでは ありません。
出典を 明記いただければ、 記事・SNS・ 資料で ご自由に 引用いただけます。
集計・執筆: Jason Tanaka (IQテスト運営)。 本記事の データは 受験者を 特定できない 形で 集計しています。